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38話 冒険者ごっこの意外な実態

작가: みみっく
last update 최신 업데이트: 2025-11-23 06:00:19

「……未知なる力……」

 レイニーは、あーちゃんの言葉を無視するかのように、ボソッと呟いた。その言葉には、底知れない恐怖を思い出させる響きと、あーちゃんを震え上がらせるような意味が込められた響きがあった。

 肩に乗るあーちゃんの体が、ビクッと震えるのがレイニーの体にも伝わった。

「……勘弁して下さい……」

 あーちゃんは、心底怯えたように、弱々しい声で訴えた。

「もぉ〜あーちゃんのウソつきぃ……」

 レイニーは、あーちゃんの反応を楽しんでいるかのように、ニヤリと笑った。

「その代わりに従者に、なったじゃないですかぁ〜」

 あーちゃんは、不満げな声で反論した。

「それって……俺は頼んでないけどねぇ……。勝手にあーちゃんが提案してきたんじゃんっ」

 レイニーは、意地悪く事実を突きつけた。

「……頑張って、いろいろと助言をしてるじゃないですかぁ〜」

 あーちゃんは、観念したように、少しだけ声のトーンを上げた。

「まぁ……そうだね~。頼りにしてるよー」

 レイニーがそう言うと、あーちゃんはホッとしたように、肩の上の体がすっと軽くなったのを感じた。そして、ベッタリとレイニーの肩に体を預けてきた。その安心しきった重みが、レイニーの肩にじんわりと伝わってくる。

 そういえば……エリゼが「冒険者ごっこ」って言ってたよな? レイニーは、ふと以前の会話を思い出した。ゲームとかアニメで聞き慣れてたから、普通に聞き流してたけど……この世界に冒険者っているんだなぁ。レイニーの頭の中に、新たな興味が湧き上がってきた。

「エリゼって、剣術は使えるんだよね?」

 レイニーは、隣に座るエリゼに尋ねた。

「うん。お父さんに教えてもらってるよ!」

 エリゼは、誇らしげに胸を張って答えた。

 エリゼって、強いのかな? ステータスって見れないのかな? レイニーは、そんなことを思いつつエリゼを見つめていると、突然、エリゼの頭上に半透明のステータス画面が表示された。周りの兵士と比較をすると低めだけど、少年兵と同等以上かぁ……さすがセリオスの娘といった感じだねっ。レイニーは、その数値に感心した。

 わぁーい。新たにステータスの表示スキルをゲット〜♪ レイニーの顔には、満面の笑みが浮かんだ。レベルに技術の熟練度くらいしか見れないけど、十分に役立ちそうだよねっ。

 ……っていうか、俺のレベル……一桁なんですけど!? レイニーは、自分のステータスも確認し、その数値に愕然とした。あんだけ修行しても、このレベルなのか。エリゼより下っておかしくない?? レイニーの心には、納得いかない感情が渦巻く。まあ……魔物の討伐をしてないからかな? エリゼも魔物の討伐をしてないんじゃないの? レイニーは、納得しようと理由を探した。

「エリゼって、魔物の討伐をしたことあるのぉ?」

 レイニーは、疑問に思ったことを素直に尋ねた。

「え? ないない、したことないよぉ〜。ある訳ないじゃん〜。お父さんが、許してくれると思う?」

 隣りに座るエリゼが、レイニーを見つめてコテッと小首を傾げた。その仕草は、とても可愛らしく、レイニーの心を和ませる。

 エリゼが、魔物の討伐……うん。ありえないなぁ。でも、お父さんのセリオスと一緒にだったら……うぅ〜ん……娘をキケンな場所へ連れて行くわけ無いか。レイニーは、真剣に考えた。でも、低級の魔物の討伐くらいなら、冒険者ごっこであるかも?

「ん〜剣術の修行で、お父さんと一緒に討伐とかしてそ〜」

 レイニーは、エリゼの言葉に、推測を交えて返した。

「わたし、女の子なんですけど! 剣術は自分の身を守るために教えてもらってるだけだよ〜」

 エリゼに、真面目な顔で突っ込まれた。その声には、少しばかり呆れたような響きがあった。

 なんだー。てっきり冒険者になるのが夢なのかと思ってた……。レイニーは、少しばかり残念な気持ちになった。

「そうなんだ? 冒険者志望じゃないんだ〜」

 レイニーは、改めて尋ねた。

「ん〜ちょっとは……なりたいかなぁ……♪ あ、お父さんには……内緒だよ! 絶対に怒られちゃうから」

 エリゼは、レイニーに身を乗り出すようにして、小声で囁き、ニコッと笑った。その瞳には、秘めたる憧れが宿っている。

 だよね。エリゼを溺愛してるんだから、キケンな冒険者の道を許してくれるわけがないか。レイニーは、セリオスの顔を思い浮かべ、納得した。

「うん。秘密は守るよっ」

 レイニーも笑顔で返事を返した。エリゼの秘密を守ることに、少しだけ秘密の共有を嬉しく感じていた。

 あーでも、セリオスは冒険者ごっこは一緒にしてるんだよね? レイニーは、不思議に思った。

「冒険者ごっこって、なにをしてるの〜?」

 レイニーは、エリゼに問いかけた。

「えっとね……お父さんと一緒に山に行って〜お父さんの魔物の討伐を見てるのっ♪」

 エリゼは、楽しそうに答えた。

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